今ドキたった1〜2枚の紙を日本から海外に送るなんて正気?
フィリピン・セブで子どもが小学校を変更するにあたって、新しい学校から出生証明書(Birth Certificate)や親の結婚証明書(Marriage Contract)の提出を求められました。2025年3月上旬時点、日本領事館でそれらを発行してもらうには3ヶ月以内に発行された戸籍謄本が必要でした。
2025年3月24日からマイナンバーカードがあれば現地の日本領事館が戸籍電子証明書を確認できるようになり、物理的な戸籍謄本は不要になりました。受験準備をはじめたのが数週間前だったため、紙の戸籍謄本を日本で取得し、家族に頼んでセブへ送ってもらわなければなりませんでした。
完成した書類(Certificate)を領事館に受け取りに行ったのが奇しくも3月24日となってしまい非常に悔しい思いをしましたが、ブログのネタができたと前向きに考えます。マイナンバーカードを持っていない方や、日本においてきてしまった方の参考にもなりますし(涙目)。
実はセブで頼りにされてない郵便局のEMS
日本から海外へ荷物を送る場合、郵便局の国際スピード郵便「EMS」の名前がまずあがります。EMSとはExpress Mail Serviceの略で、郵便局が取り扱う国際郵便のなかで最速とのことですが、EMSを利用したことのあるセブに住む日本人に話を聞くとすこぶる評判がよくありません。
理由は、案内された期日に届かず、何ヶ月も届かないのでセブ中央郵便局に行ったら荷物があったと、皆さん一様におっしゃいます。EMSはそういうもの、フィリピンはそういうところと半ば諦めのご様子です。
ヤマトの国際宅急便は早くて自宅まで届くらしい
そんななか、B4サイズかつ1kg以内の「書類パック」しかフィリピンは対応してませんが、ヤマト運輸の「国際宅急便」がEMSよりも早く、確実に自宅まで届くとの情報をキャッチしました。
セブの郵便局へ出向くのはまっぴらゴメンですし、EMSより早いならとヤマトの国際宅急便を使うよう、日本から戸籍謄本を送ってくれる家族に依頼。ところが、ヤマトの営業所で荷物の中身をたずねられた際に、戸籍謄本は「信書」だから、送れないと断られてしまいました。
信書とは、人から人へあてられた「気持ち」や「要件」「情報」を伝える文書。戸籍謄本も「特定の個人に対して発行された文書」で情報を伝える性質を持つため信書にあたるそうです。「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する」ため、郵便のユニバーサルサービスの確保に支障を及ぼさないという観点から「信書」は、総務大臣の許可を受けた信書便事業者のみ送達が認められてるとのこと。
信書以外の書類で急ぎで海外まで送るものって、ぶっちゃけ何があるか教えて欲しいです。
セブでEMSが悪評なワケを勝手に考察
家族へEMSを使わないで欲しいと明確に伝えていなかったため、案内されるまま郵便局に行きEMSで発送してしまいました。その際、郵便局で受取人住所まで届くと説明があったようですが、セブに住む日本人のEMS体験談を聞いていたわたしは居ても立っても居られませんでした。
何ヶ月も待っていたら、子どもが通いたい小学校の定員が埋まってしまうのではと慌てて調べましたところ、なんとセブはそもそも受取人住所へ届かない地域と郵便局のホームページに書いてあるではありませんか。セブへ送るEMSは、デフォルトで受取人が郵便局にまで出向いて取りに行くサービスだったのです。
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2の「あて所に配達」される地域に郵便番号6000のセブ(Cebu)は含まれていませんので、3の「上記2以外の地域にあてたEMS郵便物は、あて所への配達は行われません。受取人さまの住所の配達を受け持つ郵便局の窓口において受取人さまに交付されます」にあたります。
なぜ、窓口スタッフは「自宅まで届く」と今回のように説明してしまうのでしょうか。イレギュラーな国際郵便の対応に慌ててしまいページ上部の「全域」だけを見て、咄嗟に答えてしまうのですかね。わたしも日本の家を引き払ってセブへ移る際、郵便局から国際小包を船便で出したとき自宅まで届くと説明を受けた気がします。
そして、セブの受取人はその言葉を信じてひたすら待ち続け、しびれをきらしてから郵便局へ行き、荷物は無事あったけれども聞いていたのと全然違うため「EMS(郵便局)ダメダメ」と噂になっているのではないかというのが、わたしの推論です。
結局、セブ中央郵便局に取りに行くはめに
今回は一刻を争っていましたので「お問い合わせ番号」で毎日どこまで荷物が進んでいるかを確認しました。日本からマニラへ着くまではスムースでしたが、マニラから発送された後しばらく動きがなく焦りました。
「到着」の欄が「取扱局:(PHILIPPINES)」になった時点でセブの郵便局まで届いたようです。土日をはさみましたが、発送後7日で無事に戸籍謄本を手に入れることができたので、期日については窓口の説明の通りでした。今回の件で「自宅まで届く」という誤った情報を信じた家族が日本の郵便局へ苦言を呈してくれたようですので、窓口の説明が全国で改善されることを望みます。
令和もたったの85円でハガキが紛失の心配など皆無で配達されることは大変ありがたく「郵便のユニバーサルサービス確保」には大賛成ですが、信書を独占するならもうチョイがんばってほしいと思ってしまうのは、ぜいたくでしょうか。