セブ教育移住の一時帰国と物資運び事情
フィリピン・セブ島生活7年目。年に数回日本へ一時帰国するたびに、セブでは手に入りにくい食材や日用品を4~5ヶ月分まとめて運び、快適な海外暮らしに備えています。夫が「大は小を兼ねる」と言い張り、古いスーツケースが壊れるたびに1週間以上の旅行向けといわれるLサイズを買い足してきました。
Lサイズのスーツケースにひそむ重量制限の壁
ところが実際に使ってみると、かつての4~7日用Mサイズのほうが、何も考えずに荷物を詰められたように感じます。Lサイズにぎっしり詰めようとすると、空いた隙間を埋めるうちに、あっという間に重量制限の壁にぶつかるのです。味噌や醤油、シートマスク、プロテイン——旅行のときとは違って、持ち運ぶのはどれも重いものばかり。かつお節やカップ焼きそばのように軽くかさばるもので余白を埋めながら、規定の20~23kgに収めるパズルを毎回「あーでもない、こーでもない」と繰り返します。まだスペースはあるのに、重さを気にして思うままに詰められないもどかしさがつきまといます。
「お金で解決!」しようとしたら、まさかの事態に
ある時、思い切って資本主義を行使。セブパシフィック航空で32kgの預け入れ荷物を2個オプションで追加し、ストレスのないパッキングを手に入れたのです。ところが「お金で解決!」の清々しさは、玄関先の段差であっけなく打ち砕かれました。スーツケースの側面ハンドルを持ち上げた瞬間、パキッと嫌な音がして持ち手が割れたのです。空港行きのバス停で、もう1つも同じ運命に。出発早々、2つとも壊してしまいました。
YouTubeで知った「32kg×2個」の世界線
「上手なパッキング術があるはず」とYouTubeをあさってみれば、海外旅行慣れした人々は重さなど気にもせず、次々に荷物を放り込んでいきます。超過料金など痛くもかゆくもないほど稼いでいるのかしらと一瞬思いましたが、調べて納得しました。多くの航空会社ではビジネスクラスなら32kgを2個まで預けられるのです。席の広さや食事の豪華さだけでなく、荷物の重さを気にせず詰め込める自由も、彼らの特権だったのだと初めて知りました。
学んだのは「体力とスーツケースが耐えられる重さ」
こうして年に2~3回、日本から物資を運んで得た知見。32kgを預けられる航空会社や座席クラスはあっても、我が家のスーツケースとわたしたちの体力には限界がありました。実際に2つ壊し、夫は右肩から背中を軽く痛めました。空港宅配サービスを利用する、象が乗っても壊れないという高級スーツケース(いつかは欲しいグローブ・トロッター)に投資する——資本主義の別の扉を開けば別解もあるのでしょうか。それでも今の暮らしには、1個20~23kgにおさえ、複数に分けるほうが安全で現実的だとわかりました。
いつかは「ストレスフリーなパッキング」を
これらの経験から、次に買い替えるときはMサイズをいくつか揃えようと思います。それでも——いつかは32kgを2個預けても心配せずに旅立てる、そんな旅の(資本主義においても)自由を味わいたいです。