かわいい我が子のために入念な下調べをしたにもかかわらず、セブの小学校に転入後、わたしを待っていたのは予想だにしない「衝撃の事実」でした。
わたしが実際に体験した、日本とフィリピンの学年制度の「ズレ」による悲劇(?)と、これから移住を検討する方にぜひ知っておいてほしい義務教育(K-12)の仕組みについてお話しします。
1. 入学後に判明した、まさかの「2歳差」
子どもが学校に通い始めてすぐのこと。送り迎えでクラスメイトたちに会うと、ふと違和感を覚えました。
「なんだか、みんな小柄……。それに幼く見える?」
気になって数人の同級生に年齢を聞いてみたところ、なんとわが子より2歳も年下の子がいることが判明。実は、わたしの子どもはフィリピンの本来の学年よりも「ひとつ下の学年」に入れられていたのです。
「えっ!? Grade 1って日本の小学1年生と同じじゃないの?」
入学後にこの事実を知ったわたしは、あまりのショックに文字通り膝から崩れ落ちました。実は、日本からセブの学校に転入する際、「4月〜7月生まれ」の子はひとつ下のGrade(学年)に割り振られてしまうケースが多いのです(例:年齢的にはGrade 2の年なのに、Grade 1に入れられる)。
2. フィリピンの義務教育「K-12」と修了証明書の壁
なぜこんなことが起きるのか。その理由は、フィリピンの教育制度「K-12」にあります。
フィリピンでは、幼稚園年長(Kindergarten 2)から高校(Grade 12)までの13年間が義務教育です。ここで日本と決定的に違うのが、「各学年の修了証明書(Certification)がないと、次の学年に進めない」という厳格なルールです。
例えば、フィリピンの新年度が始まる8月(※学校により異なる)に合わせて、日本から「4月〜8月生まれ」の小学1年生が転校する場合、その子は8月31日時点で7歳になっているため、現地の年齢ルール上はGrade 2(小学2年相当)に該当します。
しかし、Grade 2に入るには「Grade 1の修了証明書」が必要です。
日本の1年生を数ヶ月しか過ごしていない状態では、当然証明書は発行されません。日本の学校に籍を置いていたとしても、証明書が出るのは翌年3月。
結果、年齢基準ではGrade 2であっても、証明書がないためにGrade 1に入ることなってしまうのです。
3. 誕生月で決まる「学年のズレ」の正体
日本の感覚では「生年月日で学年が決まるのが当たり前」ですが、フィリピンでは「前の学年を終えているか」が最優先。その結果、渡航時期や誕生月によって以下のような年齢差が生じます。
- 9月〜翌年3月生まれの子:現地の最大1歳年下の子と同級生になる(日本でもあり得る範囲)。
- 4月〜8月生まれの子:現地の最大2歳年下と同級生になる可能性が高い。
不登校だろうが何だろうが、年齢が来れば自動的に進級する日本の義務教育からすると、まさに「耳を疑う話」ですよね。
わたしは思わず先生に食い下がりました。
「日本とフィリピンではカリキュラムも違うし、ここはモンテッソーリ教育で異年齢教育を行っていますよね? 本人の理解度を見て、ひとつ上の学年を検討できませんか?」
しかし、現地の先生の回答は一貫して「修了証明書(Certification)がないとダメ」の一点張り。「全然モンテッソーリ(柔軟)じゃない……」とガッカリしましたが、ルールである以上、現場の先生にいくら抗議しても仕方がありませんでした。
4. ズレを回避して「適齢」で入学する方法は?
この「学年のズレ」に悶々としたくない場合、ひとつの解決策があります。
それは、フィリピンの義務教育のスタート地点である「Kindergarten 2(K-2)」のタイミング(8月31日時点で5歳)で入学することです。
義務教育が始まる最初のステップであれば、当然「前学年の修了証明書」を求められることはありません。現地の年齢基準のまま、ストレートに学年を重ねていくことが可能です。
5. 結論:日本の常識は、一歩外に出れば「非常識」
今回の件で痛感したのは、「移住先の制度を事前に徹底的に理解しておくこと」の重要性です。
学年のズレは、国の制度の違いから生じる避けられない構造です。最近仲良くなった韓国人ママに聞いたところ、韓国の学校は3月スタートだそう。ところ変わればルールも変わる。まさに「日本の常識は世界の非常識」でした。
これから教育移住を目指す皆さんは、ぜひお子さんの「生まれ月」と「現地の入学基準日」を照らし合わせてみてください。あらかじめ「うちはひとつ下の学年になるな」と分かっていれば、心の準備もできます。
わたしのように入学後に慌てたり、お子さんが「なんで自分だけ年上なの?」と戸惑ったりすることなく、ひとつでも不安を解消して渡航できる方が増えることを願っています!(まあ、皆さんわたしと違ってしっかり者なので、そんな心配は無用かもしれませんがw)
